CMやテレビドラマに曲が使われ、最近、注目度急上昇中の竹原ピストル。「感謝の気持ちを込めて精一杯やらせてもらいます。のんびり楽しんでください」と開口一番、挨拶したが、のんびりなんてとんでもない。ギターをかき鳴らしながら野太い声で歌う言葉の数々に胸がザワザワとして、とてものんびりとなんて聴いていられない。「Forever Young」「よー、そこの若いの」というお馴染みの曲を、敢えて見どころにしないセットリストは、他にもっとキョーレツな印象を残せる曲があるからだ。たとえば、軽薄な調子を装いながら実はという歌詞の展開に胸が詰まる「ねえねえくみちゃん、ちぇけらっちょ~!」のような明らかに誰かに歌ったと思しき曲の印象は衝撃的と言ってもいい。とあるテレビの音楽番組は“心を鷲掴みにする歌”と謳っていたが、それを言うなら“心を抉る歌”だろう。いわゆるフォークシンガーの伝統を受け継ぎながらラップの影響も窺える。ラストは「最近書いたポエムを朗読します」とフリースタイルのラップ「狼煙」で締めくくった。
Text : 山口智男 Photo : Taku Fujii